「セキュリティ脅威」と「リスクアセスメント」
現在、ITを取り巻く環境は、様々なWEBサービスの登場により、利用者にとっては以前とは比べ物にならないくらい、便利で快適なものになりました。
多種多様なサービスがインターネット経由で利用できるようになり、我々の生活様式にも大きな変化が生まれました。
今後も益々利便性が増していく事が想像できますが、その一方でセキュリティに関する脅威やリスクの増加にも注意しておかなければいけません。
これは、サービスを提供する企業側、利用するユーザ側双方に言える事です。
今回は、具体的にリスクを評価・分析し、実際の対策立案を考えていく上で必要な知識・工程についてお伝えしていきます。

「脅威」と「リスク」って同じもの?
結論からお伝えすると、「脅威」と「リスク」は別のものです。
この点を勘違いされており、同様のものと考えている方が割りと多くいらっしゃいます。
「脅威」と「リスク」を混同してしまうと、リスクアセスメントにおいても正しい結果を導き出せなくなる可能性があります。
これは、情報セキュリティマネジメント、サイバーセキュリティ対策を検討していく上で重要な考え方となりますので、基本的な事項となりますが改めて「脅威」と「リスク」の違いについてお伝えしておきます。
「脅威」とは?
情報セキュリティにおける「脅威」とは、組織や企業などが保有する情報資産やITシステム等に、損失や不利益を与える要因や事象のことを指します。
例えば、以下のようなものが「脅威」の例となります。

企業や組織に想定される「脅威」は、外部からの攻撃や、人的要因によるミスやうっかり、自然災害など様々なものが考えられます。
ただし、あくまでも「脅威」は「要因」ですので、ここで重要なのは、「脅威」=「リスク」ではないという事です。

「リスク」とは?
では、「リスク」とは何なのか?というお話ですが、情報セキュリティマネジメントにおいては、前述の「脅威」によって、つまり何かしらの要因によって引き起こされる「損失や不利益」、これらが発生する可能性を「リスク」と表現します。
「脅威」を特定する事と、それらによって引き起こされる「リスク」、これらを正しく分けて考える事により、正しいリスクアセスメントが可能になります。
この点は、これまで私達が接してきた企業や組織の方々にも混同されている方が多くいらっしゃいましたが、非常に重要なポイントなので留意してください。
そして、「脅威」にも様々な種類があります。次項にてそれらを解説していきます。
「セキュリティ脅威」の種類
サイバーセキュリティ対策における脅威の種類は、大別して以下の3つに分類されます。
- 技術的脅威
ITシステムやWEBサイト等において、技術的に脆弱な部分を悪用した攻撃などによって引き起こされるものを指します。
近年、IT技術の進化により、様々な新技術が誕生してきました。今後もその流れは続いていくと思われますが、「新たな技術」には必ず「新たな脆弱性やリスク」がつきものとなります。
IT技術を活用する事で、様々な恩恵を受ける事が出来ますが、リスクを把握した上で、正しく利用するという事が重要となります。 - 人的脅威
人間のミスに起因して引き起こされるものを指します。
うっかりや故意など、要因は様々ですが、人間が行う作業には、必ず一定のミスや不正が含まれるという前提で、考えておく必要があります。
ミスを軽減する仕組みや、ミスがあっても被害を最小にする仕組み、不正を未然に防ぐ対策などを考えていく必要があります。 - 物理的脅威
物理的に存在するコンピュータやサーバ等の故障、オフィスやデータセンター等の建物の損壊などに起因して引き起こされるものです。
機器の障害や自然災害等によるものが多いですが、企業活動の継続の為には、平時よりBCP対策やデータバックアップなどを意識しておく事が重要です。
このように、「脅威」の種類によって検討すべき安全管理策も変わってきます。
また、これらの「脅威」は、意図的なものなのか?、偶発的なものなのか?という観点でさらに分類されます。

これらを正しく理解した上で、組織が保有する情報資産やITシステム等に、どのような脅威が想定されるのかを特定しなければ、正しいリスクの評価も出来ませんし、その後の対策立案も有効なものとならない可能性があるという事を覚えておいてください。
セキュリティに関するお悩み、
当社にお気軽にご相談ください。
株式会社M&Kでは、サイバーセキュリティ対策に関する総合支援企業として、各種コンサルティング、セキュリティ診断サービスを提供しています。
情報セキュリティアセスメントサービス
貴社の情報セキュリティに関する現状の整備状況と運用状況の調査、潜在する脅威とリスクの可視化などを実施し、現在地点と今後のあるべき姿への助言・企画立案支援等を実施するサービスです。
組織のルール策定状況とその浸透度、必要文書の整備、情報システムへの技術的対策、物理的対策の実装と運用状況などを把握した上で、その後の対策強化への指標としてご活用頂けます。
情報セキュリティアセスメントサービスが提供する価値
情報セキュリティの対策立案に関するプロセスを自社対応のみで完結するのは、非常に困難です。
当社のような第三者機関によるコンサルティング等のご利用により以下のようなメリットがあります。
- 現状の把握とその後の対策が明確に認識できる
- 情報システム関連規程の要求事項と比較した実装状況・運用状況が可視化される
- セキュリティ管理策の中でも重要な「識別・認証・認可」の実装・運用状況が把握できる
- 脅威の特定とリスクマネジメントの整備状況、および運用の実装状況が把握できる
- 外部委託先のセキュリティ実装・運用、および管理状況の実態について調査・確認ができる
- 今後の定期的な監査、対策強化案、実装優先順位等についての提案が受けられる
これらの情報を把握した上で経営層へ報告する事により、現状の情報セキュリティ状況の実態再認識、是正・刷新に関するセキュリティ投資の承認をより得やすくする証憑としても有効にご利用頂けます。
セキュリティ対策は、現状を正確に把握し、その評価結果に基づいた強化・対策を継続して実施して、理想とする姿に近づけていく事が重要です。
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